個人の自助努力によって老後に備えることは大切ですが、物価や資産価値の変動など経済情勢の変化を的確に予想することは困難であることや、個人個人にとって何歳まで生きられるのかは不確実であることなどを考えれば、個人の自助努力のみで生活設計を完全に行うことには限界があります。 公的年金制度は、このような状況の中で、長い老後の生活を安心できるものにするため、社会全体で高齢者の生活を支えていく仕組みが必要であるという考え方のもとで形成されてきた制度です。
65歳になると、国民年金から「老齢基礎年金」を終身受け取 ることができます。 国民年金制度では、日本国内に住んでいる20歳から60歳未 満のすべての人が加入し保険料を納めていただくことになっています。保険料を納めた期間が長ければ長いほど(上限は480月)、それだけ老後に受け取る年金も多くなります。(平成23年度の年金額は、788,900円)。逆に、保険料を納めた期間が短ければ受け取る年金も少なくなり、その期間が25年に満たない場合には年金を受け取ることができない場合があります。
病気やけがで障害が残ったとき、国民年金から「障害基礎年金」 を受け取ることができます。 厚生年金に加入している場合は「障害厚生年金」が上乗せされます。
一家の働き手が亡くなったとき、国民年金から「遺族基礎年金」を受け取ることができます。 亡くなった人が厚生年金に加入していた場合は「遺族厚生年金」が上乗せされます。
保険料の納付義務は、第1号被保険者本人にあるが、本人に収入がないときなどは、世帯主や配偶者も連帯して保険料を納付する義務を負う。また、保険料は納付期限(翌月末まで)より2年を経過したときは、徴収する権利が時効により消滅するので、保険料を納める事ができなくなる。
第1号被保険者は、保険料の負担能力に関係なく定額の保険料を納めることになっているが、様々な事情で納めることが困難な人もいるため、一定の要件に該当した時、所得が一定基準より少ない時、失業・災害に遭った時などは本人の届出や申請により免除される。